|
「ねえねえ、『ぱにっく・るーむ!』って書いたらあれゲにしか見えないと思わない?」「そうだね。よくそこにきがついたね。きみってほんとうにおりこうさんだね」
あらすじ。マンハッタンの豪邸にジョディー・フォスター親子二人が引っ越してきたその日の夜、三人組の強盗が押し入ってきたからさあたいへん。二人は急いでパニックルームに立てこもることにしました。ところがしかし! 実は、その部屋には――そう――あったのです……世にもおそろしい……秘密が……(別に大したことない)。
こりもせずに英語字幕で見た。初見では細かいところが分からなかったのでまだまだ。映画そのものはとても楽しめました。事前知識ゼロだったので「マルコヴィッチの穴」や「Cube」みたいなのを期待してしまっていたよ。サスペンス映画としては絶望感が薄味でちょっと物足りない。カメラワーキングはなかなかすてき。あとバーナムさんがいいひとすぎてずるい。これでいいひとの振りをしたケビン・スペイシーだったら面白かったのに! 宅配便の箱のなかには!
せっかくなので辞書を引く。勉強になるね。以下、メモ。
brownstone, disarray, sue, recluse (n) , germane (a) , vogue, traipse (v) , ventilation, pry (v) , asking price, hook up, escrow, felony, dick around, hole up, wig out, pass out, plastic surgeon, jeopardize, spout (v) , percocet, harrow (v), perilous, aggravation, put away, grand (n) , moot, custody, interrogate, cross my heart
自分が初見ではよく分からなかったポイントは二つあって、「ジュニアはどうして親子がまだ入居していないと思い込んでいたのか」( escrow とか言われてもちんぷんかんぷんっすよ)、あと「ジュニアはどうしてパニックルームに秘密があることを知っていたのか」(ちゃんと「じいさんが教えてくれた」と言ってますね)。相続云々のところもよく分かってなかった。最後まで「しかしこいつ誰なんだろ?」と思いながら見ていたよ! わりざんだいじ!
あとお笑い的な観点で言うと、ジュニアが美味しいところを全部持っていっているよね。炎上リアクション芸はもちろん、「五秒前は 1/3 だったじゃないですかー!」とか「 900 千ドルは貯金できるからいいですよ」「今なんて言った」とか、ラストとか、いちいち面白くてしかたない。というわけで、おれの中ではジュニアは山崎邦正でいいです。
今日も天気は良い。新緑の美しさに目を細める。ジャンプジャンプ。
会社に行く。
いろいろと手配を進めている。忙しいけどがんばるよ。負けないよ。
八年前に作った銀行口座とクレジットカードを解約した。おつきあいで作ったものなのでもうほとんど使っていなかったのだけど、このカードでピアノを買ったことはよく覚えている。サイレントユニットをつけて、五十万円超えだった。何も怖くなかったし、今だって何も怖くない。
「素数判定能力が限界突破して、通行人を捕まえては『おまえ、素数、いいやつ』、『おまえ、素数じゃない、悪いやつ』みたいなシリアルキラーはどうかなあ」「はいはい、『もしも自分が素数じゃなかったら』と思うと不安で不安でまともに鏡が見られないんでしょ?」「やがてついに首くくるバイオゴリラ」「バイオゴリラ?」
天気はとても良く、とても暑い。イチゴさんもよく育って欲しい。佳境だ。
会社に行く。
昨日の夜は、炒飯を作り、ネギと豆腐の味噌汁を作り、モッツァレラチーズトマトを作り、カツオのたたきを刺身にして、キュウリとレタスを切り、茹でたオクラに茅乃舎だしの粉と醤油とゴマ油をかけたものを作った。
「レシピを見ながらスーパーで買い物をするのは、合コンに行く前から交際相手に求めるスペックをリストアップしておくようなもの」「自分の感性を過信するから、マーケティングにまんまと引っかかるんじゃないの?」
一難去ってまた一難。そう来なくっちゃ、とうそぶいている自分がいる。すべての困難は打ち砕くためにある。やってやるぜ。
天気はとても良い。止まない雨はないし、喉から抜けない魚の骨はない。
会社に行く。
またも誤記を発見してひっくり返った。急いで郵便局に行く。"Everyone makes mistakes, that's why they put erasers on pencils."
誤記を発見したときに、「早めに見付かって良かった!」と喜ぶひとと「こんなミスをして! もう!」と怒るひとがいるわけですが、自分は両者です。
とはいうものの、他人のミスで自分に作業負担や金銭負担が発生しても、昔ほどは気にならなくなった。世の中はもともと理不尽なものであり、公平に言って、自分はその理不尽さの犠牲者ではない。人生の陥穽は至るところにあるが、自分はまだ水に落ちてはいない。
そうだよそうだよ! おまえの才能はそういうところに最適化されてるんだよ! 浮気はダメだよ!
あらすじ。雨が降って、学校を休んで、お弁当を作って、ベンチに立って、足にさわりました。大事なことなのでもう一度言います。足にさわりました。もう一度。「足に」「さわり」「ました」。
「うまく歩けない」ひとたちのお話。こういうストレートな話にはムズムズしてしまうね。おれが水に落ちなかったのは、ヘッセがそうだったように、運が良かっただけのことだ。この二人だってそうだろう。これは、結局のところ、運が良かったひとたちのお話だ。人生の陥穽に片足を突っ込みそうになりながらも、隣りにいた誰かのお陰で、なんとか前に進めたひとたちのお話だ。
三年生の教室に挑む場面では、「『青に裁』じゃないか! 早く金属バット持ってこい!」ってなった。せっかくだからオムライスを投げたら良かったのに。それはともかく、分かりやすい悪役を描くのは、「世の中には分かりやすい悪がある」という信教告白であり、時として「自分たちは無辜の犠牲者である」という信教告白でさえあり得る。気を付けろ。「私の敵は私です」だ。
クライマックスはあんまり好みじゃない。そこは苦々しいお別れでいいと思いますけどね。「それでも、あのコーヒーを思い出すだけで、自分はまた何度でも歩き出せる」みたいな話が好きでしてね! エピローグはいいね!
|