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「魚」
既読。いいですねえ。内容を一言でまとめると「馬鹿な大人は死ぬ」ということでよろしいか。
「冬のコント」
もう最高です。多分これは、汚れた大人になった今だからこそ素直に笑えたのであって、子供の頃に読んだら素直には笑えなかっただろうと思います。それにしても「それからまあ、どうでもいいことですが」とか「あなたのとなんか、比べものにならないくらいだったわよ」とか、言葉の選び方がどれもこれも素晴らしい。ラストの画は是非とも映像化して頂きたいですね。
「二度死んだ少年の記録」
既読。言わずと知れた傑作。最後の一行に痺れます。悲しいですか。悲しいですね。
「傾斜」
既読。シュールシュール!
「定年食」
カニバカニバ! 展開は読めてしまったのでどうでもよろしい。名科白「あっ、気が狂っている。」が読めたので大満足です。
「偏在」
既読。お客さまの中に映画の才能がある方がいらっしゃいましたらこの作品をショートフィルムにしてください。
「遠い座敷」
既読。今更褒めるまでもない。これを読むと芥川の「トロッコ」を思い出すんですよね。
「メタモルフォセス群島」
オチが初見の駄洒落と全く関係なかったので驚いた。面白いことを考え付くなあ。
「驚愕の曠野」
流石としか言いようがない。ラストシーンにぞくぞくしました。無間地獄か。
ハズレなし。素晴らしい短編集です。
ティファニーに食堂はありません。
あらすじ。ニューヨークに生きるホリーは、何人もの男達を華麗に通り過ぎて、やっとポールに出会えたのでした。オードリー・ヘップバーンは美人さんで、ジョージ・ペパードはナイスガイで、茶色い猫には名前がなく、ミスター・ユニヨシは馬鹿日本人で、ヘンリー・マンシーニは良い仕事をして、「ムーン・リバー」は名曲でした。終わり。
邦題が「ティファニーの朝食」じゃなくて本当に良かったと思う。あと原題を見て初めてティファニーが人名であることに気付きました。そういえばエルメスもシャネルもグッチもプラダもアルマーニもルイ・ヴィトンも人名だ。そういうものなんですね。あ、でもコーチは人名じゃない。ええはあどうでもいいですかそうですか。
誰が何と言おうと、これは猫映画です。猫に始まり、猫に終わる、そういう猫映画です。猫映画に悪いひとはいません。
あっ、気が狂っている。
あらすじ。日本が沈没したので、日本海は狂気の海になりました。終わり。
おまえらの大好きなスペクタクル映画を低予算で作ったらこうなるんだよバーカ! 分かってるよどうせ大失敗だよバーカ! というバーカ映画でした。世に溢れる大量のスペクタクル映画から豪華絢爛な虚飾をざっくりと取り去ったら、本質的にはこれくらい馬鹿らしいものしか残らない、という痛烈辛辣な批判ないし主張があったのかというと、まあ多分それはない。高橋監督は、単純にこういう馬鹿らしい映画が好きなんだと思います。それはそれでいい。馬鹿らしい映画にも、良い映画と悪い映画がありますよ。
上映後、塩田明彦と高橋洋のトークショウを見ることができたのだけど、大の大人二人がミサイルで富士山の形が変わるべきか否かの議論をしていたから笑ってしまったよ。塩田さん、貶し文句褒め文句バランスが 8:2 くらいだったんじゃなかろうか。
同時上映は、「お城が見える」(監督:小出豊)、「犬情」(監督:粟津慶子)、「さらば、愛しき女よ」(監督:長島良江)、「とっぴんぱらりのぷう」(監督:宮本亮)、「山嵐」(監督:宮田啓治)の五本。「とっぴんぱらりのぷう」が良かったですね。
阪神死闘篇と獅子奮迅篇。後者の P.84 以降はすべて覚えていました。ということは、ここまでは実家になかったんだな。
どれもこれも文句なしに懐かしく、面白い。ヤスダとヒロオカ監督のコンビがいいなあ。ここに載っていなかったネタも多数記憶しているので、続きが楽しみです。
現実はいつだって、理不尽で、不条理で、無慈悲だ。
あらすじ。二人の少年は高校で銃を乱射しました。BGM は「月光ソナタ」の第一楽章と「エリーゼのために」でした。終わり。
コロンバイン高校銃乱射事件を下敷きにした、言わずと知れたガス・ヴァン・サント監督の代表作。いかにして少年達は高校で銃を乱射するようになったのか、という事件が発生した過程や原因を掘り下げた映画なのかと勝手に思い込んでいたのですが、犯人二人が最初から最後まで文句なしにクレイジー野郎どもだったのでとても安心いたしました。冗談です。
この映画において、すべては突き放されていて、ドラマはどこにもなく、結末さえも明らかではない。行ったり来たりする時間の中で、何度も同じシーンが視点を変えて映し出されるのだけど、それはそのシーンに特に深い意味があるわけではなく、「これは既に起こってしまったことなんだ」ということを念押しするためだったのだろう。既に起こってしまったことは、何度異なる視点によって再確認したとしても、やはり同じシーンの繰り返しにしかならない。誰がどんな主観を持って臨んだとしても、シーンそのものは厳然としてそこにあり、何一つとして覆すことはできない。絶対にできない。
この映画には、教訓も寓意もない。すべては既に起きてしまったことだ。いつだって現実は、理不尽で、不条理で、無慈悲だ。誰がどんな高尚な人生を送って、誰がどんな下劣な人生を送ったとしても、気の狂った少年が銃を乱射したらすべてが断ち切られる。そして、この映画には、その行為が悪であると断罪する意志さえない。
この映画を見て、子供の頃に見たゾンビ映画を思い出した。ゾンビ映画もまた、理不尽で、不条理で、無慈悲であり、教訓も寓意もない。そういえば、あのゾンビ映画でも結末は明らかにならなかった。というわけで、この映画はゾンビ映画へのオマージュということでいいです。
クライマックスからラストシーンへの展開があまりにやっつけだったので笑ってしまったよ。
あらすじ。ルーシー、イタリアに行く → イケメンに出会う → イギリスに帰国する → キモオタと婚約する → イケメンと再会する → 婚約を解消する → イケメンと結婚する → なんだそりゃ。眺めのいい部屋の出番は、僅か数分でした。終わり。
極めてベッタベタなストーリーだったのでなんかもうどうでもいいです。成人男子三人が裸で走り回るシーンが実に良かったですね。あとシャーロットが露骨にウザがられているのが高ポイントでした。いや、分かるよ、分かるけどさあ、という。
昔のイギリスは大変そうだなあ。今の日本は生きやすいですよ。
荻上直子、小林聡美、もたいまさこ、というわけで、「またおまえらかー!」でした。なんでこれで片桐はいりがいないんですか。
あらすじ。タエコさんはめがねワールドに入り込んでしまいました。自転車に乗って、カキ氷を食べて、メルシー体操をしました。終わり。
スタッフロールが終わって「なるほど、『かもめ食堂』はジャブだったんだな」と思いました。あれがどれだけファンタジーに過ぎないとは言っても、まあ、かもめ食堂は本当にあってもおかしくない。一人の日本人女性がフィンランドに行き、そこで食堂を開いて、二人の日本人女性を招き入れた、そういうことはあるかも知れない。でもね、この世界はないでしょう。ないない。ねえよ。ねえっつうの。おまえフザけんなよ。いい加減にしろよ。なにがマリンパレスだよ。与論島を馬鹿にしてんじゃねえよ。おい与論島。おまえも黙ってんじゃねえよ。言いたいことがあったらちゃんと言えよ。なんだおまえ。下向きやがって。おまえヘルシンキか。
話が逸れましたね。とにかく、「かもめ食堂」がジャブ(ただし、ラストはフック)だとするなら、「めがね」はボディーブローです。ああ、これがやりたかったんですか、と。確かにあのジャブがなかったら、このボディーブローは防げたのかも知れない。
そうそう、音楽がとても良かったですね。あとタエコさんとハルナさんのツンツンバトルが素晴らしかった。「机上の空論」のときも思ったけど、市川実日子はいいツンをしますね。
なかなか良い天気だったが、昨日一昨日ほどの勢いは失われていた。助かったよ。
高尾山に行ってきた。電車を間違えてしまい、気が付けば京王永山にいたよ。リフトで途中を飛ばし、山頂で昼食を取って、小仏峠まで歩いた。バスで高尾に戻る。楽しかったよ。
下高井戸の Noliette でアイスケーキを食べた。近くにこんな素晴らしい店があるとはね。
OZ magazine travel の表紙が、知っている風景と知っている猫だったので衝動買いした。
こういう古いフランス映画をオシャレだと感じてしまうことが、コンプレックス全開であいまいな日本の西川君の弱さだと思います。誰だよ。
どちらの作品も、人間と非人間との親密な結び付き、そしてその結び付きの過酷な障害を描いたものだったのですが、「白い馬」よりも「赤い風船」の方が三倍くらい面白かったですね。あざやかな赤い風船が、明確な意志を持って縦横無尽に動き回ったら、そりゃあカンヌでパルム・ドールを取りますよ。
どうでもいいけど、今回は割と前列の方で、右端に近い席だったので、首が痛くなってしまった。映画はいい席で見たいね。
午前中は部屋でのんびりしていた。お昼ごはんにぺペロンチーノを作る。実に、昨日の夜にもペペロンチーノを作っていたので、これで三日連続夏の大ペペロンチーノ祭りである。暑い。
じゃあちょっと北海道に行ってきます。
お昼過ぎに部屋を出て、梅ヶ丘の ARPAJON でプリンを買ってから、電車で羽田空港へ。フライト直前の飛行機に駆け込みます。なんとか間に合って良かった。
やがて釧路空港に到着。飛行機から降りると、「あれ? 秋?」というくらい寒い。そうか、このあたりはもう亜寒帯なんだ。そりゃ寒いわけだよ。北海道を舐めてました。
レンタカーを借りて、まずは釧路市湿原展望台へ。ここで初っ端からカラスの死体を発見してしまった。気を取り直して遊歩道を歩こうかとも思ったのだけど、虫の量が尋常じゃなかったので諦めました。福島の田舎の比じゃない。北海道を舐めてました。
釧路のジャスコへ。どの地方でもジャスコには希望があります。ここではヨーグルトと牛乳が充実していたので嬉しくなりました。この旅行を通じて、ヨーグルトはハズレ知らずでしたね。どれを食べても本当に美味しい。ヨーグルト好きとしてはこれだけでも得がたい体験でした。ええ、いつも毎日食べてますよ、ヨーグルト。
夕方には釧路プリンスホテルに到着。部屋で一休みしてから、炉端焼きの店で夕食を取ります。調子に乗って食べ過ぎてしまった。ザンギうまい。釧路の駅前を散歩して、ホテルに戻ってシャワーを浴びて、ビールを飲んでから眠りました。釧路には猫はいないのだろうか。
旅行中。
たっぷり寝坊して、パンとヨーグルトの朝食を取る。昨日食べ過ぎたので、食欲不振だ。
釧路の市街地から北上し、達古武沼の横を通り抜けて、細岡展望台へ。自衛隊の方がいらっしゃったのだけど、多分、観光だったのだろう。いやあ、釧路湿原は広いねえ。
レストハウスで休んでいたら、近くにエゾリスがいたので驚きました。野生のエゾリスを見るなんて、もちろん生まれて初めてですよ。良かった良かった。わざわざ北海道まで来た甲斐がありました。エゾリスは木から木へと飛び回り、やがて林の向こうに消えていった。
ここでソフトクリーム分を補給。なかなか満腹度が下がらないので、結局これが昼食になりました。
さらに北上して、摩周湖へ。今日は霧ひとつなく、実に素晴らしい眺望でした。生キャラメルを買って食べる。うん、うまい。これはなかなかうまいわ。欠点は、すぐに融けてしまうので、急いで食べてしまわないといけないところですね。言うまでもありませんが、キャラメルを急いで食べるというのは、まあ、軽い拷問ですよね。
さて、北海道はイメージどおり、ハンドルから手を離しても運転できるような道が沢山あったわけですが、その中でも摩周の駅前から摩周湖に向かう道は見事でした。本当に、上空から誰かが定規で描いたような直線でしたよ。これはフリーハンドで描けるもんじゃない。
道のすぐ横は草原になっているので、嬉々として飛び込んだのですが、案外草が深かったので参りました。見た目ほどいいもんじゃない。
900草原へ。これがボケなら誰しもが「広すぎるだろ!」とツッコんでしまうような草原でありました。どこに行っても、ホルスタイン、ホルスタイン、ホルスタイン。美味しい牛乳をいつもありがとうございます。草原に横になって雲を眺め、レストハウスで牛乳を飲む。
今度は屈斜路湖へ。屈斜路湖も、摩周湖と同じカルデラ湖ですが、摩周湖のように絶望的な崖下に広がっているわけではなく、水面まで近付いて指で触れることができました。砂湯があったので足を浸す。これがボケなら誰しもが「熱すぎるだろ!」とツッコんでしまうような砂湯でありました。
川湯温泉に向かい、名湯の森ホテルきたふくろうに到着。部屋で一休みしてから、今日もまた炉端焼きの店へ。豚丼うまい。温泉に入ってビールを飲んで眠りました。川湯温泉には猫がいたので大満足です。
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