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2006/11/1 Wed

 「老いてますます健在」ですね

机の上のクマ 相変わらず涼しい日が続く。それにしても気が付けばもう十一月である。猫達と一緒に暮らし始めてから一年以上が過ぎてしまった。

 妙に頭痛がするので部屋でのんびりしていた。夕方からアルバイトに行く。学割の有効期限が今日までなのを忘れていたよ。明日は本郷に行かないといけませんね。金曜に帰省する予定です。

 カンディンスキーの画集をパラパラ眺めた。正直なところ、初期の絵にはそこまで魅力が感じられなかったのだけど、1910 年代に入ってからの作風の変化には驚嘆すべきものがあり、そして 1920 年代のあまりにも洗練されたデザインには恐るべきものさえ感じた。尚、自分が最も気に入ったのは「貫通する線」という 1923 年の抽象画なのだけど、このときカンディンスキーは実に 57 歳であった。

[ 食事 ] 部屋で生姜焼きサンドウィッチを作る

 お腹が空いたので無理矢理作った。
 豚肉をゴマ油で炒めて、塩、黒胡椒、醤油、生姜、酒で味付け。それを汁ごとトーストの上に載せただけ。あとはこれをこうやってド─────ン! と窓から投げ捨てれば出来上がりです。
 そんなに悪くなかったですよ? 和風サンドウィッチという方向性自体はそこまで間違っていないはず。

2006/11/2 Thu

 ピュウとキュウの間なんですよ

新大塚の猫 空はうっすらと曇っていた。部屋にいるとムクドリの賑やかな鳴き声が聞こえる。

 本郷に行く。木々の上で鳥達が P と Q の間の子音を発していた。学割を手に入れる。二台ある学割発行の機械は暗証番号を一致させていないので驚いた。上野で乗車券を買う。上野公園の茶色の猫達がまた小猫を増やしていた。キシピ氏を呼び出して、Starbucks で一休みしてから、アルバイトへ。

 Internet Explorer 7 が公開されたので冷蔵庫を買うようにインストールした。

[ 雑談 ] 第一回勝手に新しい諺を作ろうぜのコーナー

 埼玉県にお住まいの抹茶プリン炒飯さんからのお手紙です。

犬も歩けば、死ぬ。

 おまえ小学生かよ。

2006/11/3 Fri

 東北を舐めてはいけませんね

ベッドのヴァイス 空が晴れて明るく、良い帰省日和であった。朝から鈍行で地元に戻る。車窓から見える柿の実の橙色がとても美しかった。

 友人の結婚披露宴に出席した。どうもおめでとうございます。末永くお幸せに。

 東北だからなのか、夜はかなり冷え込んだ。吐いた息が白い。実家でサンマの煮物などを食べて、安くないウイスキーと安いウイスキーを飲んだ。

2006/11/4 Sat

 ほろ苦い面白い味でした

切り株 今日も天気は良かった。昨日のように冷え込むこともなく、心地良い秋の一日であった。

 朝食を取って、地元の秋祭りに行く。午前中はウォークラリーとスタンプラリーに参加。出店の料理で昼食を済ませて、午後には山登りまでしてきたのだから我ながら元気だ。お寺に水琴窟があったので吹き出してしまったよ。夕食はすき焼き。

 ばーさまからとても古い梅干を譲って頂いた。果肉が茶色になっていて、汁の一部がゼリー化している。漬け込んだ年月がここ数年というレベルではないらしく、甕の中でビニールに包まれていたことから、少なくともビニールが普及した後だということくらいしか分からないらしい。

2006/11/5 Sun

 猫を丸くしたいんですよ

紅葉 相変わらずの晴天が続く。空気が乾いていますね。

 朝食を済ませて、地元の桜やダムや墓を見に行った。馴染みの寿司屋さんで昼食を取る。イカやタコのサイズが普通の寿司の倍くらいあった。筒井康隆のエッセイに出てきた垂水の寿司屋のようだ、と言ったら褒め過ぎだろうか。

 新幹線で東京に戻る。あまりの混雑に辟易してしまったよ。考えてみれば三連休の最終日なんですね。しかし、実家から部屋まで三時間もかからないのだから、近いものだ。

 コタツが欲しくなったので東急ハンズに行った。今のところはまだ様子見。

[ 食事 ] ある店のアップルパイを食べる

 自分の世界にはアップルパイよりも美味しいお菓子は存在しないんですが、決してどのアップルパイでもうまいうまいと無心に食べられるわけではなくて、正直に申し上げますと納得できるアップルパイというのは地元のある店のものしか食べたことがありません。

 いや、分かってます。そういうのって、大抵はただの幻想なんですよ。子供の頃の文字通り甘い記憶が、美化されて神格化されて、実態とはかけ離れたものになっているんです。そういうことってありますよね。裏道にいた吠える犬とか、幼稚園の庭の広さとか。

 幻想に対して我々ができることは二つしかありません。守ることと壊すことです。そして、どちらかといえば、自分は後者にカタルシスを覚える種類の人間です。カタルシスの意味はよく分かりませんが、まあそういうわけで、その店のアップルパイを買ってきたわけですよ。わざわざ 1600 円出してアップルパイのホールを買ってきたわけですよ。

 びっくりしました。最高です。全然美化されてなかった。そのまんまでした。小さかった子供の頃の記憶、そのまんまの味でした。こんな美味しいアップルパイに出会えただけでも、自分が地元に生まれたことを肯定できますよ。「俺は俺を肯定する」ですよ。あの店には自分が死ぬその日まで、このアップルパイを作り続けて頂きたいと存じます。以上をもちまして、乾杯の御挨拶に代えさせて頂きます。

2006/11/6 Mon

 ベト 7 シンクロニシティ

代々木上原の猫 白い雲が広がっている。空はどこにも見えない。

 研究室に行く。のんびり研究に関する記事を書いていた。間食が多すぎたのでちょっと気持ち悪い。パン屋と書店に寄ってから、電車に乗って帰る。

 近所に生まれた三匹の小さな黒猫が、駐車場の隅を走り回っている。まだ二ヶ月といったところだろうか。猫にエサを与えないように、と書かれている。なんとか生き延びて欲しい。

 ドラマ「のだめカンタービレ」を見たら、ベト 7 だったのでびっくりした。直前まで聴いていた CD も、ベト 7 だったのです。

[ 食事 ] 部屋で煮込みうどんを作る

 味噌汁の残りに水を足し、ネギ、モヤシ、小松菜、豚肉を入れて煮込む。醤油、生姜、めんつゆで味付け。軽く茹でたうどんを入れて出来上がり。
 予想通り美味しかった。秋の日の煮込みうどんに勝てるものなんて、それこそコタツにミカンの最強タッグくらいですよ。

2006/11/7 Tue

 早く丸くしたいですね

本郷の猫 落ちてきそうなくらい青い空であった。気もそぞろになる木枯らしが吹いた。

 本郷に行く。第二食堂のホールで久々にピアノを弾いた。そこそこ弾けているので今後も適当に練習して、演奏会の直前に二時間ほど仕上げをすればなんとかなりそう。キシピ氏と待ち合わせて、病院の地下にあるドトールに行き、更に工学部の Starbucks に行く。理学部の建物で夜景を眺め、キシピ氏と別れた。

 オリンピックでコタツを購入した。明後日の午前中には届く予定。とても楽しみだ。

[ 食事 ] 部屋でボンゴレビアンコを作る

 オリーブオイルで、ニンニク、唐辛子、タマネギ、万能ネギ、アサリを炒める。塩、黒胡椒、ワイン、バジル、砂糖で味付け。茹でたスパゲッティを加えて出来上がり。
 ちょっと辛かったですね。タマネギとアサリの組み合わせはグッド。みじん切りにも少し慣れました。

[ 食事 ] 部屋で肉野菜炒めを作る

 ゴマ油で、豚肉、小松菜、万能ネギ、レタス、筋子を炒める。塩、黒胡椒、醤油、酒、砂糖で味付け。
 手抜き料理ですね。筋子は固くなっていたので入れました。海の匂いがします。なかなか悪くない。

[ 問題 ] 方冪の定理を複素数に拡張する 100 の方法

 原点 O から円 (x-p)^2 + (y-q)^2 = r^2 に直線を引くと、すべての交点 A,B に対して OA * OB = | p^2 + q^2 - r^2 | が成立する、というのが方冪の定理です。証明には三角形の相似を用いるのが一般的ですが、上の二次方程式を解くことによっても可能です。センター試験レベルの問題ですね。ここで特筆したいのは、原点が円の外側にあった場合、直線が円を通ろうが通るまいが、複素数の範囲で交点を定義することができて、OA * OB = | p^2 + q^2 - r^2 | の式が成立してしまう、ということです。面白いですね。

 方程式を解くことによって幾何の定理を証明することのメリットとしては、主に次の三つが挙げられるでしょう。
 1) 証明を機械的な作業として確実に処理することができる。バイバイ補助線。
 2) 場合分けが少なくてエレガント。ひとつの式が様々な場合を同時に証明していることが多い。
 3) 複素数への自然な拡張ができるので、交点や直線などが「見えない」場合も含んでいる。

 デメリットは、計算が多くて面倒臭いこと、泥臭くて美しくないことですかね。なんだかこういう方法でだらだら証明をしていると、頭が悪くなったような気がしてきますよ。頭の悪さと定理を同時に証明しているようですね。ええ、うまいことを言ったつもりです。

2006/11/8 Wed

 部屋で菌を育てています

研究所の木々 今日も空はとても青い。空気は冷たく乾いているが、日差しはとても暖かかった。

 研究所に行く。食堂で昼食を取って、オープン・カフェ・スペースでショコラチーノを飲んだ。カフェで本を読んでいると生きている実感が湧いてきますね。研究室でのんびり記事を書き進める。今のところ完成度は 40% といったところだろうか。明日明後日が勝負ですね。アルバイトへ。

 実家に帰省した折に自家製ヨーグルトを頂いてきたので、部屋でもヨーグルトを作り始めたのだけど、順調に出来てなかなか楽しい。牛乳を入れて一昼夜ほど放置しておくと、自動的にヨーグルトになっています。味も市販のものに負けませんよ。次はフレーバーにこだわりたいですね。

[ 読書 ] 筒井康隆「懲戒の部屋 自選ホラー傑作集 1 」新潮文庫

 大槻ケンジの解説が良かったですね。カポーン! て、あなた。

「走る取的」
 ターミネーター相撲取りに狙われてしまった悲惨な犠牲者の話。「世にも奇妙な物語」で映像化されていないのが不思議ですね。相撲取りのスペックが軽く人間を超越していて笑えます。8bit 機なのに PS2 をエミュレートできる感じ。肉体的にも精神的にも明らかに改造されていますよ。

「乗越駅の刑罰」
 多分、この本で最も優れた作品だと思うのだけど、その根拠が自分でもよく分からない。無賃乗車をしてしまった作家が、人々から理不尽にリンチされてしまう。ひどい話もあったもんだ。猫好きの方は気分が悪くなるので読まない方が良いです。入江さんが殴られようが蹴られようが知ったことではないんですが、しかし、ああ…、仔猫が…、仔猫が…、首を…。ラストシーンが不気味で素晴らしかったですね。紳士怖え。

「懲戒の部屋」
 既読。痴漢に間違えられた男が大変な目に遭う。筒井康隆の小説にはステレオタイプな男女対立の構図がよく出てきますが、そのとき決して欠かせないのがヒステリックな女性の存在です。こういった女性の描写には主人公のこの上ない悪意が感じられるのですが、つまりこれはツンデレなのだと思います。おっ、女なんか、ヒステリーで、欲求不満で、白痴で、全然知性がないんだからねっ!

「熊の木本線」
 既読。ちょっとしたことで日本が滅びることになる。熊の木本線に乗っているシーンが好きです。これは「世にも奇妙な物語」で映像化されていますね。何度読んでも「なーんかシュールだなー」と思ってしまうのだけど、それは風呂敷が広すぎるからだろうか。

「顔面崩壊」
 爆笑しました。素晴らしい。ドド豆とタイコタイコ原虫とデロレン蛆のトリプルヒットにより、人間が顔面の皮膚と皮下脂肪と筋肉と舌を失ってしまう最悪の過程について。言うまでもなく、極上のグロでございます。しかしそこまでイタイイタイしている描写ではないですね。ただ舌を切り取るところだけは流石にちょっときつかった。生理的な痛みは苦手なんですよ。

「近づいてくる時計」
 夢の中の時計店。なかなか幻想的で良い話です。歳を取ってから読むとまた重みが違うんでしょうね。

「蟹甲癬」
 小林多喜二の「蟹工船」のパロディ。謎解きを読んで思いっ切り脱力してしまいました。うわ、下らねえ。しかしそれでもしんみりとしたラストに持っていく手腕は流石。 SF にさりげなく男尊女卑を織り交ぜているところが筒井康隆らしいですね。

「かくれんぼをした夜」
 既読。ええ話や。これのどこがホラーなんですか。

「風」
 既読。ええ話や。これのどこがホラーなんですか。

「都市盗掘団」
 既読。何度読んでもラストの意味がよく分からないところがいいですよね。妙に頭に残ってしまう。

 自分には筒井康隆の短編集は否定できないことを再確認致しました。

2006/11/9 Thu

 あわてんぼうにも程がある

ブルーシートに寝るコウジ 起きたらヴァイスがベッドで寝ていて、クマとコウジは布団で寝ていた。朝は冷えるからねえ。今日も相変わらずの快晴である。猫達はすぐにどこかに遊びに行ってしまった。

 午前中に届くはずのコタツが昼過ぎに来た。まあそういうこともあるさ。あわてんぼうサンタクロースだって、たまには寝坊のひとつもするだろうよ。

 部屋でのんびり記事を書き進める。なんだか研究室よりも仕事が捗っているような気がする。それにしてもコタツは温かい。夕方からアルバイトに行く。

[ 雑談 ] たとえば飯田橋のスターバックスで

 たとえばさ、飯田橋のスターバックスなんだ。飯田橋には、地下鉄の改札内にスターバックスがあるんだよ。あそこでちょっと休憩したいなーって、乗換の度にずっと思ってたわけ。それで今日、行ってきたんだよ。たとえば、たとえばさ、そういう話なんだ。

 店の中に入って気付いたんだけど、椅子とテーブルは店の外にしかないんだ。店内にはカウンターしかないわけ。まあそんなことはどうでもいい。ショーケースにずらりと並んだパンやケーキを眺めてね、ブルーベリークリームスコーンとコーヒーフラペチーノを注文したよ。カッコつけたもんだね。

 食い物と飲み物を手にして、まあ、椅子が空いてるかどうか探るわけだよ。ところが、店内からはちょっと死角になっていて、見えないテーブルがあるんだ。だから一旦、外に出た。すると、空いてるテーブルがあるにはあるんだけど、誰かが椅子に荷物を置いている。仕方ない、店内に戻るさ。カウンターで立ち飲みするってのもまたいいもんじゃないか。

 今まさに店員からコーヒーを受け取ったお姉さんが、店の外を見ている。そう、椅子が空いてるかどうか探ってるんだよ。目が合った。それで、少し首を振ったわけ。そしたら、お姉さん、はぁっと苦笑い。そうやって二人の客は、何事もなかったようにカウンターで思い思いの休憩を始めた、というわけだ。

 たとえばさ、飯田橋のスターバックスなんだ。そんなところで、そんなときに、なんとなく幸せになったっていいじゃねえか馬鹿野郎。

2006/11/10 Fri

 頭がクラクラするんですよ

池ノ上の犬? 問題なく天気は良い。妙に頭痛がする。風邪を引いてしまったのだろうか。

 下北沢に行き、昼食を取ってから、研究所へ。研究室でのんびり記事を書き進めた。案の定、書き上がらなかったですね。やれやれ。完成度はまだ 75% といったところだろうか。なんとか週明けには出せるようにしておこう。

 代々木上原の酒屋で安物のウイスキーを買った。ブラックニッカの大将が笑っているよ。

[ 食事 ] 下北沢「バーン・キラオ」に行く

 豚ひき肉のトムヤムラーメンとマンゴージュースを頂きました。ホットペッパーを利用して500円。ここに来るとリアルで「鉄鍋のジャン!」の試食係というか要するに犠牲者になってしまうので注意が必要です。辛いのに手が止まらないんですよ。困りましたね。

2006/11/11 Sat

 さようなら、ギャツビー

夜の伊勢丹 小雨が降った。寒い日は猫が室内を好むので悪くない。毎日が大雪崩ならいいのに。

 サークルの友人や後輩とケーキバイキングに行ってきた。新宿のヒルトン東京のチェッカーズ。夕方の新宿を散歩して、PRONTO でアイスコーヒーを飲む。友人と落ち合うのにメールで居場所を伝えようとしたのだけど、うまく説明できず友人には申し訳ないことをした。

 TAPE TIMER が急に欲しくなったので売っている店まで行ったのだけど、十分くらい逡巡して結局買わなかった。逡巡は買い物の醍醐味なので時間を損したとは思いません。

[ 食事 ] 新宿「チェッカーズ」に行く

 ヒルトン東京。久し振りに来ました。2940円でケーキバイキング。初めて来たときのような素朴な感動はもう味わえないことに気付かされました。フィツジェラルド風に言うと "His count of enchanted objects had diminished by one." ですね。大人にならない人間はいないんですよ。サーモンのオープンサンドが良かったですね。

2006/11/12 Sun

 ついに丸くなりました

日比谷公園の猫 空は真っ青だが風は冷たい。マフラーを巻いて帽子をかぶる。

 日比谷公園を散歩する。有楽町で買い物をして、日本橋三越に寄っていく。神田の谷中珈琲店で一休みして、秋葉原のヨドバシカメラまで歩いた。流石にちょっと疲れてしまったよ。スターバックスに寄って、部屋に戻る。

 ヴァイスがコタツを気に入っているようだ。中に入って嬉しそうに喉を鳴らしている。

 光回線が開通した。今までの ADSL の十倍以上の速度が出ているようだけど、マシンにおけるボトルネックがあるからそこまで体感速度は変わらない。ここまで通信技術が発達してしまった今となっては、大抵の場合のボトルネックは人間の脳味噌だろう。

[ 食事 ] 日比谷「松本楼」に行く

 ついに行ってきたわけですよあの言わずと知れた洋食の名店日比谷松本楼に。といっても一階のグリルですけどね。リーズナブルなのがありがたい。
 ビーフカレーとハンバーグステーキを頂いたのだけど、どちらもとても素晴らしい味でした。こんなきちんとした洋食を食べるのなんて一体何ヶ月振りだろう。信じられないほど美味しいわけでも、今まで食べたことがないほど美味しいわけでもないのですが、適度に良い素材と適度に良い調理が感じられて、なんだか自然と嬉しくなる料理でしたよ。いいですね。また来ます。

2006/11/13 Mon

 さようなら、ADSL

冬の第三角形 青い空に白い雲が浮かんでいる。白い空に青い雲が浮かんでいるよりは良いだろう。電子ピアノを弾いているとクマが甘えて膝に登ってくる。

 研究所へ。記事を書き上げたのでボスと助手さんに見てもらうことにした。提出は明日ですね。パン屋と本屋に寄って、アルバイトに行く。

 帰りしな、近所に猫がいたので背中を撫でていたら、腕に噛み付かれてしまったよ。

 ADSL を解約したのでモデムを宅配便に出した。 LAN ケーブルとモジュラーケーブルは返さなくても良いとのこと。友人が三年前に「ジジの声が聞こえなくなったキキの気持ち」と書いていたのを思い出します。

[ 読書 ] E・W・ハイネ「まさかの結末」扶桑社ミステリー

 まっとうなショートショート集です。半茶さんの書評を見て、読んでみました。なかなかよく作られた話が多く、傑作ばかりとは言いませんが、十分に楽しむことができましたよ。言い回しがやたらと凝っているところが良いですね。作者本人によるイラストが高ポイント。
 あらすじ紹介。極端なネタバレは避けることにしますが、あらゆる書評は多かれ少なかれネタバレを含んでいるので、気休め程度でしかありません。あと折角のショートショートなので語尾は「が……。」で統一します。

「死者の挨拶」
 4/5 の確率で巨万の富を得て、1/5 の確率で墜落死する、そんなテレビ番組に出ることになったが……。

「判決」
 火酒の蒸留器を持っていた男が罰を受けることになり、怒りのあまりに審判人に食ってかかるが……。

「ほんと、男って……」
 数々の男を手玉に取っていた女性のもとに、あなたの子供が生まれました、という連絡が入るが……。

「正義の神」
 教会の機能を享受しながらも、神も奇跡も信じていない男が、近いうちに死ぬことになったが……。

「テロ防止策」
 飛行機の爆破の予防法に関する特許を発明したという男が特許庁を訪れるが……。

「ギプスの中身」
 腕のギプスの中にヘロインを入れた女が国境を越えようとしてる、という匿名の通報があったが……。

「正義の勝利」
 カーター警部はついに連続銀行強盗殺人事件を解決することになったが……。

「愛の手紙」
 幾らなんでも恋人にラブレターを書き過ぎてしまったが……。

「すばらしい贈り物」
 ケチンボのボスに雇われていた女性がクビになってしまったが……。

「復活」
 死んだと思われていた男が実は生きていて、家族に関する真実を知ることになるが……。

「四句節」
 聖金曜日であるにも関わらず、司祭は肉を焼いて食べているが……。

「愛の死」
 かなり良い。ダンサーに恋焦がれる伯爵令嬢は、ついに熱望していたものを手に入れることになってしまったが……。

「秘中の秘」
 精神病患者の収容施設で、ある声が聞こえるようになった教授が、独自の理論を語り出すが……。

「万引き」
 警備員が万引き犯の女性を捕まえて、もし警察に知られたくなかったら、と脅そうとするが……。

「強盗の襲撃」
 絶対に強盗が入れないような鉄壁のガソリンスタンドを作ったが……。

「いばら姫効果」
 老人施設の男性が、絶対確実な睡眠法を発明したと言うが……。

「不気味な重要証人」
 クラウン警部はどうしてもヴィンター事件の容疑者のアリバイが崩せなかったが……。

「コールボーイ」
 コールボーイが長年の夢を叶えて頂きたいと依頼されるが……。

「死んだ双子」
 生後数週間で双子の片方が死亡してしまったが……。

「目には目を」
 片目がガラスの義眼である教授と肉屋が、互いの目を相続する約束をするが……。

「講演」
 かなり良い。講演の当日に声が出なくなってしまった教授は、お抱えの運転手に頼みごとをするが……。

「キルケ」
 シュリーマンに憧れる男は、キルケが住んでいたかも知れない島に到着するが……。

「ただ乗り」
 ただ乗りがいると告げられたキャプテンは、甲板から放り出せ、と命令するが……。

「世界一短いお化けの話」
 今日、エプソンのダービーでケンブリッジ伯をみかけたが……。

「講演」の「すごい男だ! これぞ典型的なベルリン人!」に吹きました。そういう問題なんですか。

2006/11/14 Tue

 完璧過ぎる答案にやられました

猫達は外に出たい 天気はとても良い。こんなよく晴れた日にはパン屋のおばさんがパンをひとつオマケしてくれるものだ。いつもいつも済みません。どうもありがとうございます。

 研究所に行く。ボスと助手さんに記事を添削して頂いた。大幅に直す必要があるので、提出はまだまだ先になりそう。なんとか金曜までには出してしまいたい。

 電車を乗り継いで秋葉原へ。ヨドバシカメラで初期不良のキッチンタイマーを交換して頂いた。本郷まで歩き、キシピ氏と待ち合わせ。スターバックスで一休みして、頼んでいた本を受け取った。ピーナッツの本を見せてもらったのだけど、人目も気にせずに大笑いしてしまったよ。

[ 雑談 ] またしてもヴァン・ペルトの悪魔達

 かつて「私の年から出て行きなさい」という伝説の脅迫で全世界を震撼させたルーシーさんがまたしてもやってくれました。

Linus : Lucy, why is the sky blue ?
Lucy : BECAUSE IT ISN'T GREEN !!

 かの最強の女性は常に我々の限界の七歩先にいる。

2006/11/15 Wed

 死にたくなければ皺を取れ

逃げ出すコウジ もう十一月も折り返し地点なんですね。時間が流れるのが早すぎる。朝は天気が良かったが、昼過ぎから雨が降り出した。

 やる気さんが行方不明になってしまったので、ひたすらカフェで小説を読んで過ごした。アルバイトに行く。むつみ屋に連れていって頂いた。

 久し振りにアイロンをかけた。どうしてもアイロンを見ると「ねじまき鳥と火曜日の女たち」を思い出してしまいますね。あと「世にも奇妙な物語」の「罰ゲーム」も。

[ 雑談 ] 猿が投げた柿の実にぶつかって彼は死んだ

 柿が売っていた。

 お店も何もあったものではない。駅前の歩道に柿のケースを並べてあって、おっちゃんがその前に立っているだけだ。看板には「産地直送 7 個 300 円」とある。かなり安い。ケースに並んでいる柿も決して悪いものではない。大きさも十分、色も鮮やかだ。スーパーで買えば 1 個 100 円はするだろう。

 しかし実は、柿のケースの間に段ボール箱があり、そこには小さく粗末な柿が僅かばかり放り込まれている。これが 7 個 300 円なのだという。ではケースに並んでいる柿はというと、ケースの上に小さな値札があって、そこには目立たぬように「 6 個 1000 円」と書いてあった。公正取引委員会もびっくりの裏技である。多湖輝の本にあった戦後の行商人ですか。

 それじゃあ買うわけにはいかない、ということを強く主張すると、ではこの値段ならどうか、とどんどん値段を下げてくる。最終的には 4 個 300 円で買ってしまった。損したのか得したのか、正直よく分からない。ただ、これからは近所の八百屋で買うことにしよう、と決心したことだけは確かだ。蟹が食べたい。

[ 問題 ] 窓から差し込む陽光にぶつかって彼は死んだ

 長方形 abcd の窓から差し込む陽光は床に平行四辺形 ABCD を作る。これは、長方形 abcd が斜めに傾いていても、abcd が長方形ではなく平行四辺形でも、窓と床が垂直になっていなくても、成立する。
 証明はとても単純で、abBA と cdDC が平行面であることによる。AB と CD は平行面の辺と辺であり、また床という同一平面上にあるため、平行であることが導かれる。同様にして AD と BC が平行であることも示せる。よって ABCD は平行四辺形となる。
 自分が興味深いと思うのは、もしも問題文に「長方形 abcd の二辺は床と平行であり、他の二辺は床と垂直である」と明示されていたら、この証明はなかなか思い浮かばなかっただろう、ということ。一般的な問題からは一般的な解答が想到されやすい、ということですね。

2006/11/16 Thu

 無線 LAN アダプタが欲しいですね

食事をするクマとコウジ 空は穏やかに晴れていた。こんな天気が続くなら毎日 50 円払ってもいい。

 IP 電話アダプタが届いたので安物のルータと交換した。しかしまだ Number Portability の設定工事が行われていないため、モジュラージャックからアダプタを通して電話機に繋いでいる。はっきり言ってかなり間抜けだ。そりゃ配線もなおざりになるというものよ。

 雑用を片付けてから研究所へ。のんびり記事を書き直した。もうちょっと加筆すれば一応完成。ベーグルを食べて、アルバイトに行く。

[ 問題 ] 離散復讐多項式殺人事件

 刑事さん、ちょっと聞きたいことがあるんだ。

f(x+1) - f(x) = x^2 ... (a)
f(0) = 1 ... (b)

 これを満たす関数って何だか、分かるかい?

 もちろん三次関数なら上の (a)(b) を余裕綽綽で満たすわけだけど、それは十分条件であって必要条件ではない。実際、f(x) が不連続関数であれば、整数でない x に対して f(x) は (a) さえ満たせば良いことになる。つまり、切片は任意であるわけだ。
 じゃあもし f(x) が連続関数なら、(a)(b) を満たす f(x) は一意な三次関数しか存在しないってのか? 分からねえ。刑事さん、頼む、お願いだ、あいつを殺したこの問題を解いてくれ。

2006/11/17 Fri

 そのうち取れなくなりますよ

布団のヴァイス やや曇り。徐々に研究所の銀杏も色付いてきた。今が一年を通して最も好きな季節だ。ええ、基本的に毎日同じことを言っていますよ。

 パン屋でサンドウィッチを買い、ベーグル屋でベーグルを買った。オープン・カフェ・スペースでコーヒーを飲む。これだけお膳立てしてもやる気さんが帰ってこなかったら流石にそれは心の病気ですね。セミナーに出る。妙に喉が痛い。風邪でなければ良いのだけど。

 クマとヴァイスはジグソーパズルのピースのように形を組み合わせて眠っている。

[ 問題 ] Re: 離散復讐多項式殺人事件

 ああ、そうだ。犯人が分かった。実に初歩的なことだったよ。
 まず昨日あなたは「切片」という言い方をしたが、それは不適当な表現だから改めた方がいい。定数項と言った方が適切だろう。
 さて本題だ。まずは問題を再掲しよう。

f(x+1) - f(x) = x^2 ... (a)
f(0) = 1 ... (b)

 ここで f(x) を次のように書き換えようじゃないか。

f(x) = x^3/3 - x^2/2 + x/6 + 1 + F(x)

 ただし F(x) は連続な関数であるとする。すると問題は次のようになるわけだ。

F(x+1) - F(x) = 0 ... (a')
F(0) = 0 ... (b')

 そう、奴が、F(x) が真犯人だ。f(x) は騙されていただけなんだよ。F(x) は f(x) に罪を被せて、自分だけは逃げようって魂胆なんだ。
「あンのヤロウ…、舐めやがってッ!」

 なんか飽きたので止めます。F(x) は初期値が 0 で周期が 1 の任意な連続関数というわけですね。例として F(x) = sin( 2 n pi x ) があります。F(x) = (x-m)(x-m-1) ただし m は整数で x-1 < m <= x なんて気持ち悪くていいですね。F(x) = {(x-m)(x-m-1)}^2 なんてもう吐き気がしますよ。最悪としか言いようがない。殺人関数ですね。

[ 研究 ] 研究室セミナーで後輩の発表

 電磁流体の平行平板間乱流の LES について。なんとか層流化しない MHD 乱流が維持できたものの、主流方向における二点相関が強すぎる上に、いつまでも磁場が飽和しないとのこと。そもそもレイノルズ数が小さすぎるのではなかろうか。ダイナモは見えているような見えていないような。気が付けば三時間が過ぎていたので流石に疲れました。

2006/11/18 Sat

 ベルギービールで溺死したい

ヴァイスとコウジ 空はほどよく曇っている。一昨日の夜に注文したごはん釜が昼前に届いた。いい時代だ。

 日中はのんびり部屋の整理などをしていた。LEONARD BERNSTEIN のベートーヴェン交響曲全集を mp3 にした。第五番、第七番、第九番が好きです。

 夜は秋葉原に寄ってから神保町へ。キシピ氏と友人と BRUSSELS に行ってきた。スーパーで食材を買い込んでから、キシピ氏の部屋に泊まりに行く。友人に料理を作って頂いたのだけど、相変わらずとても美味しかった。蓮根と挽肉はよく合いますね。

[ 食事 ] 神田「BURSSELS」に行く

 グリゼット・ブロンシュとバルバールを飲んで、沢山の美味しい料理を頂きました。相変わらず素晴らしい味であった。いつかベルギーに行って本場のベルギービールを飲まないことには死ねませんね。死ぬまでにしたいことは百万くらいあるので一日に十を片付けていくとしても三百年くらい掛かる計算になります。人生は長いなあ。

2006/11/19 Sun

 「風邪をひいたひょうしに」か

コウジは眠る キシピ氏の部屋で起きた。パラパラと雨が降っている。鼻の調子が悪い。どうやら風邪を引いてしまったようだ。頭や喉は殆ど痛くないのが不幸中の幸い。

 朝食を作り、ピアノを弾いた。漫画を借りていく。PRONTO でココアを飲み、キシピ氏と別れる。秋葉原で CD プレイヤーを買って、本郷まで歩き、電車で部屋に戻った。夕方から表参道に出掛けて、食料品を買い込む。いつか Nid CAFE でランチを食べたい。地下のカフェでビールを飲んで、再び部屋に戻った。

 CD プレイヤーはどうも再生時間が 75 分を超えるような CD をかけると、途中で異音を出して停止してしまうようだ。やれやれ。明日またしても秋葉原に行かないといけない。

[ 食事 ] 部屋でタコの炒め物を作る

 オリーブオイルで、ニンニク、唐辛子、タコ、ニンニクの芽、ナス、タマネギ、プチトマトを炒める。塩、黒胡椒、バジル、酒で味付け。
 イタリアンっぽいですね。「まさかの結末」の「キルケ」を読んだらタコとナスが食べたくなったので作りました。とても美味しかったですよ。プチトマトを入れたのは a day in the life of mercy snow のパクリ。つまり SOUP STOCK TOKYO の孫パクリということになりますね。何が孫パクリだ。
 あとごはん釜でごはんを炊いたのですが、炊飯器とは比べ物にならない味だったので、多分良い買い物をしたのだと思います。

2006/11/20 Mon

 気付いたときに心臓が止まります

不忍池の猫 雨が降ったり止んだり。風邪は少しばかり悪くなったようだ。やれやれ。

 秋葉原へ。昨日買った CD プレイヤーを交換して頂いた。上野公園の不忍池まで歩く。昨日の夜に作ったおにぎりを食べ、肉屋のコロッケを食べた。猫を眺めて歩く。数えてみたところ、茶色の猫が少なくとも十三匹はいた。彼ら彼女らの後々のことを考えると、少しばかり気が重くなる。大学に行き、病院のドトールで一休み。昼過ぎには部屋に戻って養生することにした。

 昨日買った CD プレイヤーは小泉成器の SAD-4751 です。見た目に騙されて買いました。まだ騙されたことに気付いていないので大丈夫です。

[ 食事 ] 部屋でカレーを作る

 オリーブオイルで、ニンニク、唐辛子、竹輪、ソーセージ、タマネギを炒める。酒と水を加えて、ナス、ニンジン、ジャガイモ、マイタケ、トマト、ヨーグルト、プチトマトを煮込む。塩、黒胡椒、砂糖、バジル、カレー粉、ガラムマサラ、サワークリームで味付け。
 時間に余裕があったのでじっくりカレーを煮込んでみました。トマトスープの段階で既に美味しかったのでカレーにして美味しくならないわけがない。具が溶けてとても濃厚になっていましたよ。尚、カレーに竹輪を入れたのは羽美へのオマージュではありません。

[ 漫画 ] 手塚治虫「人間昆虫記(2)」手塚治虫漫画全集

 キシピ氏から借りて読みました。
 あらすじ。釜石は自殺して、しじみは病死して、水野は殺人して、蜂須賀は毒殺されて、大和は恐喝されました。十村十枝子はマキャベリアンでした。終わり。
 一年前に「手塚先生はすべてを計算尽くで書いていたのか行き当たりばったりで書いていたのかが少し気になります」と書きましたが、やっぱり最初から最後まで行き当たりばったりだったんじゃないかなあと思いました。まあそれがいいんですけどね。あからさまな予定調和よりは遥かにマシですよ。

だからこんな小切手なんか海へ流しちゃおうと思うの……
というと詩的でしょ
だけど私はもっとスノッブなんだ

 はあ。スノビズムの中にも詩はあると思いますけどね。むしろ小切手を海に流す方が安易なナルシシズムの匂いがプンプンしますよ。
(ISBN:4061732722)

2006/11/21 Tue

 全力で目標に挑みますよ

猫は外に出たい 空はよく晴れている。風邪は鼻から喉に勢力を広げた。咳が出る。そして咳が出ただけで尾崎放哉を連想してしまった自分がいる。なんだか頭まで痛くなってきたよ。

 昼過ぎまでは部屋で大人しく養生していた。夕方に池袋まで出掛ける。ビックカメラ、UNIQLO、マツモトキヨシで買い物をした。来月に購入する携帯電話の目星を付けました。

 よく考えたら演奏会は三日後じゃないか。今回の演奏の目標は、客席の皆様に風邪を移さないことである。がんばろう。

 時々庭のベンチで太った黒猫が寝ていることがあるのだけど、どう見てもクマでもヴァイスでもコウジでもない。君は誰だ。

[ 食事 ] 部屋でカレーを作る

 昨日作ったカレーに水を足して、トマト、ジャガイモ、下茹でしたブロッコリー、下茹でしたホウレンソウの微塵切りを加える。それとは別に、ニンニク、唐辛子、牛肉、タマネギを炒めて、塩、黒胡椒、カレー粉、酒で味付け。フライパンの中身を鍋に入れて、更にマイタケを加える。砂糖、塩、黒胡椒、カレー粉、サワークリーム、生姜で味を調整して、ひたすら煮込んでいく。
 具が鍋に入り切らなかったので、度々スープを飲みながら作りました。野菜がどんどん溶けていく。ルーを入れなくてもドロドロになるから楽しいですね。相変わらず美味しかった。

2006/11/22 Wed

 「化石」はパロディ界のエリートですよ

クマとヴァイスは食事をする 天気は良い。近所の駐車場では茶色い猫が気持ち良さそうに日向ぼっこをしていた。

 鼻は少しだけ良くなったが、まだ喉の調子は良くない。日中は部屋で論文を眺めて養生していた。夕方からアルバイトに行くものの、風邪のためにあまり声が出ない。途中で塾長に今日はもう帰っていいと言われたので、お言葉に甘えて早退させて頂きました。

 最近よくサン=サーンスの「動物の謝肉祭」を聴いているのだけど、「化石」を頭の中で流していると、いつの間にか「死の舞踏」になっているので本当にどうにもなりません。元ネタ恐るべし。あと「森の奥のカッコウ」は地味になかなかいい曲ですね。

[ 読書 ] 殊能将之「美濃牛」講談社文庫

 読書期間は 06/11/13 - 06/11/22 。 770 ページは長いなあ。パロディにパロディを積み重ねてくすくす笑っている mercy snow 先生の顔が目に浮かびました。いや、知らねえけどよ、顔。
 あらすじ。羅堂家の一族が、たったひとりを除いて、みんな死んでしまいました。石動戯作とアントニオが出てきました。続く。
 前作「ハサミ男」とは少々異なる作風ですが、良くも悪くも文章はやはり mercy snow 流なので、安心して読むことができました。頭のいい人物は得てして淡白かつシニカルに描かれ、随所随所の薀蓄はきっと必要以上に正確なんでしょう。複数の事件を絡み合わせながら、ひとつの出来事として書く手腕はお見事。詰め込み過ぎに思えなくもないですが、このひとの場合はこれくらいでちょうどいいんですよ。真犯人の正体にはやられました。願わくば、天瀬の地獄をもうちょっとねちねちと書き込んで欲しかったところ。
 石動の次の科白に笑いました。

「彼女、トヨエツ金田一では犯人役でしたね。出世したなあ」

 解説は野暮なのでしません。なに、このメタフィクション加減。漱石の猫なんか目じゃないですね。あ、出羽さんが好きです。
(ISBN:4062737205)

[ 食事 ] 部屋でカレーを作る

 昨日作ったカレーに、シメジ、トマト、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、唐辛子を入れる。炒めた豚肉とニンニクを加えて、更にしばらく煮込む。砂糖、塩、黒胡椒、カレー粉で味付け。
 このカレーは一体どこを目指しているのだろう。霧の中では何も見えない。五里先なんて 20km くらい遠い。

2006/11/23 Thu

 デスピアノというわけですね

六本木の豹達 曇り空が動くことはなく、夜からは雨が降り出した。喉の調子は相変わらず良くない。頭の痛みも無視できなくなってきた。数年振りに風邪薬を飲んだよ。

 目黒へ。自然教育園を歩いて、昆布の佃煮が入ったおにぎりを食べ、近所の肉屋のコロッケとメンチを食べた。 THE GARDEN で買い物をする。広尾を通って、六本木まで歩く。TULLY'S COFFEE で一休みして、青山ブックセンターで漫画を買い、乃木坂から部屋に戻った。流石にちょっと歩き過ぎた気もするね。

 いよいよ明日が演奏会ですね。死ぬ気というよりは殺す気で弾いてきます。「このピアノに名前を弾かれた人間は死ぬ」というのはどうですか。どうですかじゃねえよ馬鹿。

[ 食事 ] ネクタフローの「野草のはちみつ」を食べる

 スイスの蜂蜜です。コクがあって大変美味しい。最近、毎日朝食に蜂蜜入りヨーグルトを食べているので、蜂蜜は醤油くらいの生活必需品なのです。こんがり焼いたパンの耳を蜂蜜入りヨーグルトに浸して食べると美味しいんですって。

2006/11/24 Fri

 窮鼠じゃないし猫でもない

庭のコウジ 空は気持ち良く晴れている。風邪もだいぶ良くなったようだ。コウジ相手に遊んでいたらちょっと噛み付かれてしまったよ。やれやれ。

 代々木上原のパン屋に寄ってから、一週間振りに研究室へ。記事を直したので再びボスに添削して頂いた。なんとか提出することができました。良かった良かった。

 演奏会でピアノを弾いた。とても楽しかったですよ。後輩三人と渋谷まで歩き、洋麺屋五右衛門で夕食を取って、cafe MIYAMA でコーヒーを飲んだ。漫画を買って帰ります。

[ 漫画 ] せきやてつじ「バンビーノ!(1)-(2)」ビッグコミックス

 雑誌で読んで「あ、これは間違いなく面白い」と思ったので最初から読みました。確かに間違いなく面白かった。
 あらすじ。バンビは博多から六本木に出てきましたが、赤点があったので一旦博多に帰りました。続く。
 料理漫画というよりはレストラン漫画ですね。レストラン漫画の代表作といえばやはり「 Heaven? 」ですが、あののんびりした作風とは全くもって対照的です。料理人がいかに恐ろしい存在であるかを思い知らされました。多分このレストランで働いている人達の半分くらいは人を殺したことがあると思います。シェフは耳をコレクションにしていそうですね。他人を殺すどころか自分を殺したことさえない自分は切腹したって料理人になんかなれませんよ。趣味で日々フライパンを握られれば、それだけで十分幸せです。

「26番、あと何秒だ!?」
「あと30…と5秒です!」

 ブイヨンが作りたくなってきた。鳥ガラでも買ってきますかね。

[ 食事 ] 部屋でテリーヌとチンゲンサイのペペロンチーノを作る

 オリーブオイルで、唐辛子、ニンニク、安物のテリーヌ、チンゲンサイを炒める。塩、黒胡椒、バジル、酒で味付け。茹でたスパゲッティを絡めて、オリーブオイルをかけたら出来上がり。
「バンビーノ!」を読んでいたら料理がしたくなったので作りました。お手軽でなかなか美味しいですよ。

2006/11/25 Sat

 茶色い電子ピアノになりますね

近所の三毛猫 天気は悪くないが、部屋の中はちょっと寒い。もう頭痛は完全になくなったようだ。

 昼過ぎから池袋まで買い物に出掛ける。ビックカメラに寄ってから、TOBU の地下でオレガノを買い、無印良品で長袖 T シャツを買った。マルイの DELI で一休みして、のんびり部屋まで歩いて帰る。なんだか Nintendo DS が欲しくなってきた。空から降ってこないものだろうか。

 電子ピアノがちょっと故障しているらしく、ヘッドフォンの左側からしか音が聞こえない。赤白ピンジャックの出力も同じなので、どうやら端子の問題ではないよう。仕方がないので、ステレオミニプラグとモノラルミニジャックのプラグアダプターと、モノラルミニプラグとステレオミニジャックのプラグアダプターを買ってきた。電子ピアノのステレオ標準ジャックをステレオミニジャックした後、前者と後者を順番に繋ぎ合わせて、改めてヘッドフォンのステレオミニプラグに接続するというわけ。こうすれば左右の両方から左側の音が聞こえてきます。応急処置ですね。仕上げに寸胴いっぱいのビーフシチューをうっかり電子ピアノにぶちまければ出来上がりです。

[ 漫画 ] せきやてつじ「バンビーノ!(3)-(4)」ビッグコミックス

 買わずにはいられませんでした。既刊の残り二冊も多分すぐに買います。
 あらすじ。大学も愛車も両親も部屋も恋人も何もかも捨ててバッカナーレに戻ってきたバンビを待っていたのは野上戦と羽山戦でした。与那嶺さんは無敵でした。続く。
 世の中にはかけがえのないものを失ってでもしなければならないことがある、といった話は大好物ですので満喫させて頂きました。いやあ、こういうのには弱いんですよ。全く、ずるいなあ。

良か街やけ、だけん───
俺はこの街におったらいけんのよ。

 こういった話を読むとフィツジェラルドの「冬の夢」を思い出してしまいますね。別に「国境の南・太陽の西」や「ノルウェイの森」の序盤でもいいんですが、ここまで熱い熱い描写をしてくれると、それらの作品とは全く違う感触があって非常に良いです。しかし、この書き方だとバンビが悪者になりにくいわけで、そこが偽善者っぽいと思われる向きがあるかも知れませんが、ここまでやってくれたならもう偽善者でも何でもいいですよ。男には自分の世界があるのです。

なし俺は!! 大切なモンなくしてまで行かないけんとか!?

 野上とバンビの口論と羽山の最強天使描写が良かったですね。あと香取が結局ツンデレだったので笑いました。

[ 食事 ] 部屋でメカジキとシイタケのリゾットを作る

 昼食。
 乾燥シイタケをぬるま湯で戻す。オリーブオイルでメカジキを炒めて、一旦フライパンから取り出す。微塵切りしたタマネギを炒め、米を加える。米が透明になったら、シイタケの戻し汁を少しずつ注いで煮込む。メカジキとシイタケを入れる。塩、黒胡椒、バジルで味付け。オリーブオイルをかけて出来上がり。
「バンビーノ!」を読んでいたら料理がしたくなったので作りました。ありあわせの食材で適当に作った割には美味しいですね。付け合わせの生レタスがよく合います。海苔でも散らしたらもっと良かったかも知れない。

[ 食事 ] 部屋でトマトとニンニクの芽のリゾットを作る

 夕食。
 オリーブオイルでトマトとニンニクの芽を炒める。塩、黒胡椒、砂糖、蜂蜜、オレガノ、酒で味付け。昼食で余ったリゾットを入れて、トマトソースを絡める。
「バンビーノ!」を読んでいたら料理がしたくなったので作りました。もういいですか。これはストレートにとても美味しいリゾットでした。オレガノは偉大だ。加熱されたトマトの果肉が実にうまい。いいですね。また作ることにしよう。

2006/11/26 Sun

 頭突きもない予定です

渋谷の猫 空は曇っている。夜には雨が降り出した。風邪はもう殆ど治ったようだ。

 駒場祭に行く。お目当ての茶席で和菓子と抹茶を頂いた。とても美味しかった。社会人の知り合いを見付けたので連れ回し、全身全霊を込めてオセロで叩きのめした。申し訳ないけれど、実に気分爽快だ。サークルの演奏会を聴きに行く。ダマーズの「序奏とアレグロ」が良かったですね。下北沢で買い物をして、Segafredo でビールを飲んで、部屋に戻った。

 再来月中旬にある最後の演奏会に向けて、掉尾を飾るに相応しい馬鹿な曲を作ろうかと思っている。頭の中ではドタバタ騒いでいるのだけど、弾けない曲は作りたくないので、本当にどうなるのか分からない。多分、肘打ちや膝蹴りは出てこないと思う。

[ 食事 ] 部屋でメカジキのムニエルを作る

 オリーブオイルでニンニクと唐辛子を炒める。小麦粉とニンニクの微塵切りをまぶしたメカジキを投入。塩、黒胡椒、バジルで味付け。両面に焦げ目がつけばムニエルは完成。それとは別に、タマネギの微塵切りとトマトを炒めて、砂糖、蜂蜜、塩、黒胡椒、オレガノ、酒で味付け。出来上がったトマトソースをムニエルにかける。
 んー、ムニエルもトマトソースもそれぞれ美味しかったのだけど、両者を足し合わせたことによるありがたみは特に感じられなかったですね。あとムニエルの衣を剥がさないように火を通すのには訓練が要りそうです。

[ 食事 ] 部屋でペンネのプッタネスカを作る

バジルを散らす前のプッタネスカ オリーブオイルで、ニンニク、唐辛子、ブラックオリーブ、アンチョビを炒める。少しだけ酒を入れてから、缶詰のトマトを加えて煮込む。塩、黒胡椒、砂糖、蜂蜜、オレガノ、ディル、タイムで味付け。茹でたペンネに絡めてから、オリーブオイルをかける。お皿に盛り付けてバジルを散らせば出来上がり。
 いわゆる娼婦風パスタですね。とても美味しかった。ブラックオリーブは割と少なめでも良さそう。ハーブを四種類も入れたので香りが豊かですね。

[ 雑談 ] 日記のサブタイトルをつけ直せ

 頭が悪くなったので日記のサブタイトルをつけ直してみた。

 タイトル : 月めくり日記
 サブタイトル : 猫と料理が別々に好きだ

 もっと頭が悪くなった。

2006/11/27 Mon

 ウサギが死にそうな曲です

東池袋の猫 今日は割と暖かかった。曇り空が続き、やがて雨が降り出した。

 お昼頃に本郷に行く。中央食堂でうどんを食べて、病院のドトールでカプチーノを飲んだ。共用練習室でひたすらピアノを弾く。新しい曲はやたらとトリルが多いので、右手の人差し指の先端が痛くなってしまった。曲名は「鳥獣戯画のための前奏曲」に決めました。前奏曲だって言い張れば前奏曲なんですよ。

 キシピ氏とマクドナルドに行った。以前弟君が「じゃあマック行こうぜ! 俺うまいマック知ってんだよ!」という心底くだらない持ちネタを披露していたのを思い出した。

[ 食事 ] 部屋で温野菜サラダとボンゴレビアンコを作る

温野菜サラダとボンゴレビアンコ 豚肉、キャベツ、アスパラガスを塩茹でにして、アンチョビを馴染ませる。
 オリーブオイルでニンニクと唐辛子を炒める。アサリを加えて、酒で煮る。塩、黒胡椒、バジルで味付け。茹でたスパゲッティに絡めて、オリーブオイルをかける。
 あー、アサリを焦がしてしまったよ。やれやれ。ちょっと塩が多すぎたかな。温野菜は簡単な割には美味しかった。ブラックオリーブを入れても良かったですね。

[ 食事 ] 部屋でマヨネーズを作る

 卵、香酢、塩、黒胡椒、バジル、オレガノ、ディル、タイム、サラダ油を、ひたすら自動泡立て器で泡立てる。
 味は別に悪くないのだけど、そんなに硬くならなかったですね。残念。水気が入ってしまったのが良くなかったのかも知れない。次はもうちょっと気をつけよう。

2006/11/28 Tue

 チェッカーフラッグとフライパン

椅子のヴァイス どうも天気がぱっとしない。結局、近所の商店街を出ることさえしなかった。怠惰だ。

 電子ピアノに向かう。「アイスとケーキ」という二十小節しかない短い曲の楽譜をささっと書いた。「鳥獣戯画のための前奏曲」の楽譜も一応書き始めたけど、こちらはいつ書き上がるのか未定地獄だ。まあ二週間程度を目安にしようか。

 料理の良いところのひとつは、スタートとゴールがはっきりしていることだ。途轍もない種類のコースが用意されているところだっていいし、意外なショートカットを発見する喜びにも素晴らしいものがある。あるいは地平線が見えるような果てしないストレートをアクセル全開で駆け抜ける爽快感だって悪くないだろう。

[ 食事 ] 部屋でブイヨンを作る

 鳥ガラをぶつ切りにして、水にさらしてよく洗う。鳥ガラを茹でて灰汁を取ったら、タマネギ、ニンジン、セロリ、パセリの軸、ローリエ、黒胡椒を入れて、二時間ほど煮込む。冷めたらザル漉しをして、スープだけ残す。
 鳥ガラにうまく包丁が入らなかったので、素手で無理矢理千切りました。煮えた野菜や鳥ガラはとても美味しい。ブイヨンはこれからじっくり頂きます。とても楽しみだ。

[ 食事 ] 部屋でトマトサラダと豚肉の炒め物を作る

パセリを加える前のトマトサラダ トマトを湯剥きにして種を取り除き、塩、黒胡椒、ディル、マヨネーズをかける。ブラックオリーブとパセリを加える。
 ゴマ油で、豚肉、マイタケ、タマネギを炒める。塩、黒胡椒、醤油、オイスターソース、酒、ブイヨンで味付け。
 どちらもなかなか美味しかった。ブイヨンがあると簡単にコクのある味を作ることができて良いですね。常にブイヨンのストックがあったら人生観まで変わってしまうかも知れない。

2006/11/29 Wed

 プレミアムチーズケーキが食べたい

ヴァイスの食事 起き上がってすぐに吐き気と頭痛に襲われたので驚いた。しばらく座り込んで休んで、リンゴを食べたら良くなった。一体何だったのだろう。

 天気は昨日より良くなったが、結局部屋でのんびりしてしまった。夕方からアルバイトに行く。

「鳥獣戯画のための前奏曲」の楽譜を書き進めた。左手の 8va が多い。そういえばこんなに低音を多用する曲を作るのは初めてのような気がする。今のところ小節数は 60 弱だけど、最終的には 200 を超えるだろう。早く書き上げて練習に入りたい。

 今週末、サンシャインシティに SEIJO ISHII Select がオープンするらしい。とても楽しみだ。

[ 食事 ] 部屋でトマトの雑炊を作る

 缶詰のトマト、パセリ、タマネギを軽く煮込む。塩、黒胡椒、砂糖、オレガノ、バジル、ブイヨンで味付け。おにぎりを入れて、卵を落として掻き混ぜる。
 お手軽な昼食でした。ブイヨンがあると手抜き料理が楽しくなってきますね。

2006/11/30 Thu

 現在の指数は 73 くらいですね

猫はベッドで眠る 雨が降ったり止んだりした。雨が降り出すと猫達は部屋に戻ってきて、ベッドの上に重なって眠る。最近は庭で「窓を開けろ」と命令することを覚えてきた。やるね。

 家賃を振り込んだりメールを送ったり。色々と雑用を片付けた。夕方からはアルバイトへ。これがなかったら自分の引きこもり指数は 20 上昇していますね。

 メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」はやはり素晴らしい作品だ。この曲を作ったとき、メンデルスゾーンはまだ 17 歳だったというのだから、回文で言えば私負けましたわですよ。

[ 食事 ] 部屋でトマトの雑炊を作る

 昨日の雑炊の残りに、トマト、タマネギ、安物のテリーヌを入れる。塩、黒胡椒、バジル、サワークリーム、ブイヨンで味付け。おにぎりを入れて、卵を落として掻き混ぜる。
 良い朝食でした。おにぎりを入れるときは一旦火を止めて、ご飯とスープをよく絡ませてから卵を掻き混ぜてまた点火し、一煮立ちさせたらすぐ火を止めることにしています。これはつまり、ご飯を加熱し過ぎると崩れるから良くないけれど、卵には火を通す必要があるからなんでしょうね。でしょうね、て。

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