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- 09/02/07 -

 鬼、あらかじめうしなわれた

 あのさ、さっき気付いたんだけど、あの、鬼、鬼って、いないわ。

 節分って、豆まくじゃん。鬼は外って、いっつも言うじゃん。でもね、よっく探してみたんだけど、うちんなか、どこにもいないのよ、鬼。うん、いなかった。間違いなく、いなかったわ。だって、あれでしょ、鬼って、ゴキブリサイズじゃないでしょ。知らないけど、小さいのでも、イノシシくらいの大きさはあるでしょ、ふつう。でもね、うちんなか、そんなのが隠れられそうなとこ、ないんだわ。それで気付いたね。や、気付いたっていうか、悟りを啓いちゃったね。うち、鬼、いないわ。豆まき、要らんわ。

 そんで、加藤んちに行ったわけよ。で、あいつが台所に行ってる隙に、クローゼットのなか、こっそり見たわけ。でもね、いないんだわ、鬼。いや、まだね、まだ確信はしてなかったよ、そんときは。俺って、けっこう慎重なのよ。だって、ほら、もしかしたら、もう加藤が豆まきをした後かもしんないわけじゃん。だから、コーヒー持ってきた加藤に、それとなく聞いたのよ。豆まきしたかって。そしたらあいつ、いや、だってよ。あれは、嘘吐いてる奴の目じゃないわ。俺には分かるわ。さすがは心の友だわ。

 二日考えたね。二日考えて、やっと、分かった。ほら、豆まきって、別に、今はやりのイベントってわけじゃないじゃん。よく分かんないけど、寛永とか文禄とか、あれくらいからあったんでしょ、知らないけど。つまりね、そんな大昔から、鬼は、日本中のご家庭から追い出され続けてきたわけですよ。そりゃあ、まあ、家にはおられんわね。家族全員から、出てけ、とか、あのやさしかったおばあちゃんからも、出てけ、とか言われたら、そりゃあ、もう、家にいるのは無理だわ。空気的に、無理だわ。

 うん、俺にもやっと分かってきた。うち、鬼、いないわ。豆まき、要らんわ。

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