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- 06/02/01 -

 珍!名!コンテスト!

 今週もまた「珍!名!コンテスト!」のお時間がやって参りました。今回は一体どんな珍名が飛び出してくるのでしょうか。楽しみですねえ。では早速、一人目の方から、張り切ってどうぞ!

「初めまして。遠藤ザオリクです」

 素晴らしいですね。ザオリク。あの、なんだか私、生き返る思いですよ。良いお名前ではありませんか。ザオリク。それでは、次の方、いってみましょう!

「こんにちは。森野メラゾーマです」

 メラゾーマ。いいですね。燃え上がるような衝動を胸のうちに秘めた女性だと思われます。ただちょっと熱烈過ぎて不器用とでもいいますか、思い詰めると一人のひとしか見えなくなるところもありそうですね。がんばって下さい、森野さん。

「ありがとう。田中ザラキです」

 ザラキさん。いいお名前には違いないんですが、ちょっとなんといいますか、田中さんはあれですね、授業中にクラスメートが皆殺しにされる妄想をしていたタイプですね。田中さんが急に鉛筆を置いて「来るぞ。伏せろ」とか呟くと、マシンガンを持った殺人鬼が教室にやってくるんですよ。最初に殺されるのは担任の先生。基本ですね。

「ごめんなさい。佐々木ボミオスです」

 ああ、こいつはいけませんね。ボミオス君。なんだか使えなさそう。簡単な仕事をさせてもやたらと時間がかかるに違いありません。あのですね、使い方がよく分からないんですよ。折角覚えたって、ちょっと困りますよね。ほら、「じゅもんをひとつおぼえた!」って、嬉しいじゃないですか、ワクワクするじゃないですか。それで確認してみたら、ボミオスなんですよ。最悪ですね。ああ、いえ、佐々木君の話ですよ、ええ。

「ここにいてもいいですか。宮本レムオルです」

 レムオルさん、どうも存在感がないですね。もっと自分をアピールして下さい。

「俺は竜神の化身だ。渡辺ドラゴラムです」

 辰年生まれなんですね。

「神よ。西山メガンテです」

 来た来た、来ましたよ、ついに来ました。メガンテ様です。恋人、親友、思想、信仰のためなら、命を投げ打つことも厭わないのでしょう。なんという自己犠牲の精神。涙なしには見ることができません。美しい。美しい。あなたの横顔は輝いている。

「ぶっ殺すぞ。木村ベホイミです」

 完璧ですね。ベホイミ。ちょっと中途半端に癒されそうですが、それでも結構なんだか重宝しそうな方です。このひと、絶対、いいひとですよ。照れ隠しに、ぶっ殺すぞ、とか言ってますけど、本当は、みんなのことを凄く大事に思ってるんです。私には分かります。だって、ベホイミ君ですよ。いいひとに決まってるじゃないですか。出来が良すぎる妹のベホマちゃんに、ちょっと嫉妬しているんですが、大丈夫、ベホイミ君、君には君の良さがある!

 ああ、残念ながら今週の「珍!名!コンテスト!」も、お開きの時間が来てしまいました。まだまだ御紹介したい珍名は沢山ございますが、ジゴスパークとかギガデインとか、それらはまた来週以降、御披露させて頂きます!

「さようなら。高橋パルプンテでした」

 これは本当にいるかも知れない。

- 06/02/05 -

[ GreenEyedCats ] 初の雪

 五年振りの大雪だそうだ。

 先月のことである。お昼頃に起きて、カーテンを開けた僕は驚いた。窓の向こうが真っ白になっていたからだ。僕は横で寝ていた猫達を叩き起こした。雪だよ、雪。窓を開けると大粒の雪がひらひらと降っていて、向かいの塀には五センチほどの雪が積もっていた。田舎ならこれくらいの積雪は珍しいものではないけれど、ここは東京都の荒川区である。こんな光景は滅多に見られない。クマは窓のところに立ち止まって、興味深そうに外の様子を眺めていたけれど、やがてベッドに引き返して丸くなってしまった。きっと寒かったのだろう。
 しかしヴァイスは違った。ベランダに出て逡巡し、手すりの上で逡巡し、エアコンの室外機の上で逡巡しながらも、結局は雪の積もる地面に降り立っていった。ゆっくりと部屋の前を歩き、ゴミ置き場の向こうにまで行ってしまった。雪の上に残った小さな足跡を、音もなく降る雪が消していった。少しばかり心配になったけど、あまり気にしないことに決めた。
 この雪は、猫達にとって、生まれて初めての雪だ。僕は生まれて初めての雪なんか覚えていない。覚えているはずもない。僕は冬に生まれた。僕は生まれてすぐに雪を見たはずだ。覚えているはずがないじゃないか。そのときの僕は僕じゃなかった。人間だったかどうかさえ疑わしいくらいだ。
 もう猫達は子供じゃない。すっかり大きく育ってしまった。体格だけなら立派な猫だ。それでもこの冬は猫達にとって初めての冬で、この雪は猫達にとって初めての雪だ。クマはいつものようにベッドの上で寝ている。猫ともあろうものが、たかが雪くらいで、影響を受けるわけにはいかないのだ。

 結局、小一時間ほどして、ヴァイスは部屋に戻ってきた。そのとき僕は台所でチャーハンを作っていた。抱き上げたヴァイスは冷たく濡れていたけれど、特に別状はなさそうだった。ヴァイスはベッドの上に登り、クマと一緒に丸くなった。二匹の猫達は雪のない部屋にいた。
 それから更に一時間後、僕はヴァイスのお尻から何か生物のようなものが出てきたのを見付けて驚くのだけど、それはまた別の物語である。

- 06/02/06 -

 正直村も嘘吐き村も関係ない

「私は、正直者が好きで、嘘吐きは嫌いです」
「君はそんな論理を駆使してまで自分が好きであることを証明したいのか」

- 06/02/16 -

 エヌ氏がくまのプーさんを嫌う 100 の理由

──くまのプーさんがお嫌いだということですが。

エヌ氏「誤解を避けるために断っておくが、私が嫌いなのは『くまのプーさん』であって『クマのプーさん』ではないので、そこを注意されたい。全くもってディズニー社の功罪は恐ろしい」

──はい、分かりました。さて、どうしてくまのプーさんがお嫌いなのですか?

エヌ氏「まずあの黄色さだ。いつ見ても気味が悪い。君はあんなに黄色い熊を見たことがあるかね。ないだろう。どう考えても異常だ。持ち前の愚かさでペンキの中にでも突っ込んだか、さもなければ末期ガンに違いない」

──あれは黄疸だったんですか。

エヌ氏「蜂蜜を手ですくって食べるのも生理的に不快だ。唾液を撒き散らすような食べ方には吐き気さえ覚える。あの映像は国力を挙げて発禁とすべきだ。PTA も喜んで協力してくれることだろう」

──確かに不衛生ではありますね。

エヌ氏「あの苦労知らずな腑抜けた面も許せない。一体何様のつもりだ。人生を甘く見ているにもほどがある。いつ『働いたら負けかなと思ってる』などと言い出すのか知れたものではない」

──まあプーさんは元祖ニートですからね。

エヌ氏「あいつがいるとろくなことにならない。社会悪や必要悪ではなく、絶対悪だ。蜂蜜のある穴倉に入って、思う存分蜂蜜を食べたら、太って出られなくなった。もう、なんというか、情けない。自分の息子がそんなことをしてみなさい。スネ夫を殺して私も死ぬね」

──息子さんはスネ夫なんですか。

エヌ氏「私は馬鹿が嫌いなんだ。頭の悪い奴が心底嫌いなんだ。だからクリストファー・ロビンも嫌いだ。ピグレットも嫌いだし、ラビットも嫌いだし、ティガーも嫌いだ。そして世界の誰よりも、スネ夫よりもジャイアンよりも出木杉よりも、プーの奴が大嫌いだ」

──のび太さん、そんなに誰も彼もを嫌わなくても。

エヌ氏「大体あいつらは年金を払っていない」

──いや、年金を払っているディズニーキャラクターはいないでしょう。

エヌ氏「そんなことはない。ドナルドダックは年金を払っている」

──ドナルドダックってそんなことしてたんですか。

エヌ氏「あの男は人生の苦渋についてよく知っている。高倉健くらいよく知っている。私には分かるよ。高倉健は実にいい。年金もきちんと納めている。ディズニーキャラクターの最高峰だ」

──高倉健はディズニーキャラクターじゃねえ。

- 06/02/25 -

 「色々あった。」

 びっくりするほどつまんない話をしてもいいですか。

 有楽町で切符を買ったときのことなんですけどね。百六十円の切符だったんで二百円入れたんですよ。そうしたら十円玉が四枚返ってくるじゃないですか。そのうちのひとつがですね、やたらと汚かったんですよ。ほら、よくあるじゃないですか、錆びみたいなのがついていて、汚くなってる十円玉。汚い硬貨っていったらやっぱり十円玉ですよね。あんまり、汚い一円玉とか、汚い五百円玉とか、見ないじゃないですか。あれは硬貨の中で最も流通量が多いのが十円玉だからなんですよ。あ、こんな口から出任せ、信じるひといませんよね。君以外は。それでですね、あまりに汚かったから、その十円玉の発行年度を確認してみたんです。そうしたら、平成十一年。そこでついにブチキレですよ。お前はどんだけ若年寄りなのかと。お前はどうしてそんな風になってしまったのかと。お前の人生に一体何があったのかと。友達の兄ちゃんがバイクを持っていたのかと。先輩がヴィジュアル系にはまっていたのかと。気が付けば同人誌を買い集めるようになっていたのかと。そんなやりきれない思いで十円玉を見つめていました。いや、てっきり自分より年上だと思い込んたんですよ。あれだ、新しいバイト先に行ったら、なんか完全に上から目線で指示を出してくるひとがいて、ああ、ここの社員さんなのかなって思ってたら、帰りにタイムカード押していて、実はそいつも同じくバイトで、しかも年下で、おいおいなんでタメ口きいてんだよ、ていう。もうね、そんな十円玉にタメ口きかれて黙っているほど自分も大人しくないですよ。だって、平成十一年生まれってことは、七歳児ですよ。十円玉を睨み付けたんです。夕方の有楽町で。独り。寂しく。「ゴンドラの唄」を背中に。

 そしてその十円玉がどうなったのかというと、実はまだ財布にあるのです。

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