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- 06/07/14 -

[ Introduction ] まいななはじめて物語 2/7

「自分の雑文に影響を与えたであろうサイトを大々的に紹介して礼賛するという嫌がらせ企画第二弾です。それにしてもこんな文章を一体どこの誰が読みたがるんでしょうね。頭の悪い雑文ならまだしも、それに影響を与えたものだなんて。読んで下さっている方々も、本当はみんな渋々読んでいるに違いないんですよ。ほんと済みません。あの、ほんと済みません。いや、でもまあ、そう考えると逆にワクワクしてきますね。普段以上の労力と時間と情熱を費やして構築される無駄な文字列。自分の人間性の低さがどんどん白日の下に晒されるだけの自虐損害エベレスト。思えば思うほど胸が高鳴りますね。地面に穴を掘って穴を埋めてまた穴を掘るくらい楽しいです。罪って素晴らしい。ああ、この企画を始めて本当に良かった。万歳。うわあ。

変ドラページ「なんだこりゃ?」

 藤子・F・不二雄大先生を愛し過ぎたが故に常軌を逸してしまったサイト。漫画のギャグを拡大解釈して、針小棒大というか牽強付会というか、とにかく本来の面白さ以上の面白さをその場ででっち上げる、という高等テクニックが使用されています。どことなくマッドアナウンサー的な匂いも感じられますね。ボケにはツッコミが必要であるように、よく出来たギャグ漫画にはマッドアナウンサーが必要なのです。多分。ああ、マッドアナウンサーを御存知でない方は広辞苑を引いて下さい。もちろん載っていません。そんなに悔しいなら極細ボールペンで書き込めばいいのに。
 たとえば、こういうことです。『変ドラ第九回「世の中うそだらけ」』より引用しますが、『ドラえもん』でジャイアンが次のような発言をします。誰もが知っている名言です。

おもてのもようがうらにうらのがおもてについてるめずらしい五十円だ。

 この美味しすぎるボケに、盛大なツッコミが入るわけです。是非、古舘風に読み上げて頂きたい。

もう詭弁ですらない。事実そのものだ。この言い回しこそ詭弁中の詭弁。この為にこの話は存在しているといっても言い過ぎではない(はず)。アリストテレスやソクラテスなども裸足で逃げ出す超事実。ジャイアンはコレのみで詭弁論の歴史に名を残すに値する男なのだ。ツチノコなど、どうでもよい!

 当意即妙。これをマッドアナウンサーと言わずして何でしょう。
 この方のこうした才能が最も象徴的に開花したのは『変ドラ第八回「ラジコン大海戦」』でしょうか。ハイライトのみを抜き出しますが、スネ吉が次のような演説をします。

広角レンズは、広さや奥行きを大げさにうつしてくれる。それはいいんだが、困ったことに……、カメラをうんと近づけなくちゃならない。その分、ピントから外れる部分が多くなるんだ。だから、シボリをできるだけしぼりこむ。そのためには、ライトを強く、スローシャッターで……。

 これに対するドラえもんのツッコミは一言『ファ〜……』のみ。甘い甘い甘すぎる。

うおおおおお。ここでスネ吉が言っている作業は専門的には「パンフォーカス」と言って、カメラの被写界深度を深くすることによって、被写体の背景にまでピントを合わせる技術のことです。そうすることによって、人間の目が対象物を小さいモノだと感ずる感覚を誤魔化し、巨大なモノを撮影していると錯覚させる技術。しかし、その被写界深度というのがやっかいで、シボリを絞り込まないと深くならない(シボリを絞るとどうしてピントが合うのかというと、試しに親指で小さな、ごく小さな穴を作ってそこからモノを覗いてみると分かるが、通常ぼやけてしまうような距離のモノがはっきりくっきりと見える。いわゆる近視というのはこの絞りを司る眼輪筋が眼球を絞り込めなくなる事で生じる)。だが、人間の眼と違ってカメラの絞りを絞り込むとその分光が足りなくて写真が暗くなる。それをライトの光を強めることで補い。なおかつフィルムを長く露光させなければ写らない。なので、シャッター速度(バシャっと言うアレ)を落として、殆ど開放に近い状態で延々と写す必要がある。ジオラマなどのスチルならばそれでも一枚撮れば済む話だが、コレが映画などの活動写真になると話はもっと複雑で、もはや伝説とも言える「2001年宇宙の旅」における宇宙空間の撮影方法は……

 熱い熱い熱すぎる。名解説です。なんというか、油田の火災をニトログリセリンで消すような大技ですよ。いやあ、素晴らしい。藤子・F・不二雄大先生、ありがとう。古舘伊知郎さん、ありがとう。みんなみんな、ありがとう。
 他にも『変ドラ第七回スペシャル「合体バラバラの世界〜分かいドライバーの章」』や『変ドラ第11回「ターザンパンツVSターザンパンツ」』や『透明ドラキュラ』あたり、解説の妙味が味わえてもうお腹いっぱいです。御馳走様です。何よりも、いい歳した大人がギャグ漫画に向かって真剣にツッコミを入れている姿が実に感動的ですね。ほんと馬鹿じゃないの。ええと、大好きです。終わり」
 とジャイ子は言った。続く。

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