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- 06/07/12 -

[ Introduction ] まいななはじめて物語 0/7

「自分語りが七つの大罪の八番目であることは言うに及びませんが、しかし罪の欠片もない人生なんて黒い種のないスイカくらい味気ないものに違いないのです。星新一の小説には『罪を犯したことのない男がそのために罪を犯す』という短編がありました。そしてかつて星新一が選者を務めた『ショートショートの広場』には『罪を犯したことのない男がそのために採用試験で不合格になる』という短編がありました。あれってパクリじゃないんですかね。ていうか、どう考えても星新一の方が発想が一枚も二枚も上なんですけど。まあいいや。とにかく、自分語りという罪を犯さないことにはアルセーヌ・ルパンどころか ICPO の銭形警部にもなれないのです。多分。
 かといって、ここで自分の考え方や立ち位置あるいは雑文を書く上でのモットーやポリシーといったものを安易に披露しては、興醒めもいいところでしょう。そういうことは背中とか行間とかで語るものであって、むやみやたらとキーボードで入力して html ファイルに書き込むものではありません。『僕は生まれてから一度も、雑文でも日記でもメールでも手書きでも、鍵括弧、笑、鍵括弧閉じ、を使ったことがないんですよ』なんて独白、誰も読みたくないでしょう。ここで慌てて秘技オーロラ・エクスキューズを使いますが、世の中には十分読むに値する自分語りもありますし、表現の思想や哲学の説明が魅力的な場合ももちろんあります。しかし誰もがそのようなことに熱意を向けるわけではありません。そうですね、あれだ、オレ無罪メソッドは使わないことにしているんです。はい、過去ログ宣伝しました。その、連続殺人犯なら連続殺人だけですべてを表現しろよ、ていう。まあそういうわけでベラベラ自分語りをするのも気が引けるわけですよ。ですよ、て。ていうか、もうかなり自分を語った気もしますね。台無し。
 折衷案を採りましょう。このまいななを書くにあたって、自分が影響を受けたであろうウェブサイトを七回に渡って紹介していくことにします。こうすれば自分の手をそこまで汚すことなく罪を犯すことができます。題して、まいななはじめて物語。クルクルバビンチョパペッピポヒヤヒヤアバッキオのムーディーブルース。拍手」
 とモグタンは言った。ここまで来て責任転嫁かよ。続く。

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