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- 06/03/19 -

 植物怖い

 今日、植物って怖いって、思った。

 天気が良かったから浜離宮に行ってきたのね。有楽町から歩いて。歩道橋を二回も上って。入場料三百円も払って。それで、入り口からちょっと歩いたところに、花畑があったんだけど、ヤバかった。アブラナ。あたり一面、アブラナ。どこを見渡しても、アブラナ。もうとんでもない量なの。そこで花屋さんが十軒くらいオープンして、店頭も在庫も全部アブラナで満タンになって、それでもまだまだ余ってたから二トントラックに積み込んで東京湾に沈めました、みたいな。いや、とにかく、物凄い量だったわけ。もう、そのとき、確信したね。ああ、こいつらが力を合わせたら、自分は死ぬなって。いや、死ぬ。多勢に無勢。勝てるわけがないんだよ。あなたね、笑ってるけど、想像してみなさいよ。一対一ならアブラナに勝てるって断言できるでしょ。一対十でもできるでしょ。でも一対百って言われたあたりから、段々怪しくなるじゃない。一対千って言われたら、ああ、うん、まあ、勝てると思うよ、みたいな、なんじゃそりゃっていう。そんなことで一対二億のアブラナに勝てるかっつーの。そんなことだとね、アブラナに溺れて死ぬよ。絶対に死ぬ。なんか、取り囲まれて、インシュリンとか打たれて、死ぬ。

 それから有楽町に戻ったのね。有楽町に戻って、なんとなく、花屋を見た。そこにあった、なんだっけな、名前が思い出せない、なんかの花があってね、もうガーベラでいいやガーベラで。そのガーベラがあったんだけど、ヤバかった。まだ、咲いている花がひとつくらいしかなくて、残りは全部青いつぼみだったのね。そのつぼみが、どこからどう見ても、確実に、パックンフラワー。いや、本当に。あれは怖いよ。絶対にこいつら口開いてハエとかマリオとか食うわって思ったね。これを買う奴の気が知れない。絶対に嫌がらせでしょ。悪意があるでしょ。だってね、あんな花、自分が寝静まった頃に、こっそり冷蔵庫を開けてハムとかソーセージとか食ってるに決まってるじゃない。もう間違いないよ。しかも、肉を食うだけじゃ物足りなくて、なんか、お気に入りの歌とか歌ってる。そう、つぼみだけに「15の夜」とか。尾崎が好きなんだよ。いや、分かる。あれは尾崎が好きな花だよ。多分。もしね、午前三時くらいに急に目が覚めて、そんな奴らと目が合ったら、もう、命はないね。死ぬよ。死ぬ。絶対に死ぬ。盗んだバイクではねられて死ぬ。

 植物って、怖い。死にたくなかったら、植物には勝負を挑まない方がいいよ。

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