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- 05/09/20 -

[ ShortEssay ] のこぎりばば

 日本語にはのこぎりばばという言葉があるらしい。漢字で書くと鋸婆である。意味を辞書で調べてみると「(双方から利を取るからいう)すあいおんなのこと」とある。そこで今度はすあいおんなの意味を辞書で調べてみると「江戸時代、上方で主に呉服類の売買取次をし、傍ら売春をした女」とあった。江戸時代、上方で主に呉服類の売買取次をし、傍ら売春をした女がいたのである。そして双方から利を取っていることから、のこぎりばばなどという妙な名前を与えられていたのである。絶妙な命名センスではないか。しかしそんな一般名詞が定着してしまうからには、そして現代の辞書にまで残ってしまうからには、そんな仕事をしていた人間が一人や二人ではなかったに違いない。江戸時代には何十人何百人もの、のこぎりばば、すあいおんながいたのであろう。侮りがたし、江戸時代。

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